長谷部メソッドが出来上がるまで【前編】
私たちMAKOTO HASEBE SPORTS CLUBが最大のテーマとして日々考えているのは、子どもたちに“自分で考える力”を身に着けてもらうことです。
ここでは、なぜそこにこだわっているのかという理由についてお伝えしたいと思います。
まず長谷部誠は、その“考える力”を最大の武器としてドイツ1部のブンデスリーガで16年間活躍し続けました。
しかし、彼が2008年にドイツ(ヴォルフスブルク)に渡ったばかりの頃には、フィジカル的にも技術的にも今まで通りでは通用しないということを痛いほど思い知らされました。
そこで彼は「どうすれば自分はこのリーグで力を発揮できるのか」、「何を自分の強みとしてアピールしていけば良いのか」といったことを必死で考え、自分の長所である状況判断の的確さを最大限に生かすプレースタイルへと変えていきました。
それによって浦和時代とはまったく印象の異なる選手になったことは、多くの方がご存じのことと思います。
そうした自身の経験を経て“考える力”の大切さに気づいた長谷部は、それを大人になってからではなく子ども時代から身に着けていくことが重要だと考えるようになりました。
それが、MAKOTO HASEBE SPORTS CLUBの設立に至った大きな理由のひとつでもあります。
私たちは、クラブの基本理念として次のような一節を記しています。
「サッカーの中では時代で戦術やルールすら変わり、それに対応していかなければならない。サッカーには試合に勝つ為の絶対的な正解なんてない。しかし、正解のない答えを探そうとすることは凄く重要で、その人間を成長させ、そしていつか正解のない答えの中から自分自身が導き出す自分の考えを持てるようになる」
そうした“自分で考える力”を身に着けていけば、長谷部と同様に“自分で自分を成長させられる選手”になることができます。
つねに頭を使いながらプレーする習慣がついている選手は、たとえば1対1のキック練習といったシンプルなメニューでも「何を意識すればより良いキックが蹴れるのか」と自然と考えるため、何も考えずにただ蹴っている選手よりも格段に練習効果が上がります。
そうした細かい違いの積み重ねが、トータルで見れば成長速度の大きな違いとなって表われてきます。
後編に続く…